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「ブルックグリーン組曲」 その5

 

曲のテンポが高速で、休みの小節から曲に乗るのがとても難しいと何度もこのブログに書きましたが、当初のようなことごとく乗り遅れるということはさすがに無くなりましたが、油断するとあっと言う間に曲が通り過ぎて行きます。今回は少しその正体をあばいてみます。

3楽章のチェロの楽譜には、何度か休みの小節がありまして、休みの後は、8部音符のアウフタクトから始まります。

この八分音符の音の長さを計算してみます。

この曲は、8分の6拍子でアレグロです。アレグロのテンポレンジは、120から168です。

第3楽章の「ダンス」の最初から55小節までの長さは、1分(60秒)でした。そうすると1小節の長さは僅かに1.09秒です。この中に八分音符が6個ですから、1.09➗6🟰0.18秒となります。

この曲の現在のテンポは、165ということになります。アレグロのテンポレンジのほぼ速度上限です。花音のテンポは、ホルストさんの想定よりもかなり速いのかもしれません。

 

この0.18秒の音の長さのアウフタクトですが、1小節が約1秒の速さで進む曲を聴きながら、小節の最後の0.18秒に音を出すというタイミングでチェロチームは同時に入らないといけません。

世界陸上の100m走で目にするフライングなどは、人間は脳の信号から身体の動作までにどんなに早くても0.1秒はかかるので、0.1秒以内に動くとフライングとなります。0.18秒というのはその様な世界ですから、そうなると、チェロは、弓も重くて発音に時間が掛かる楽器と言うこともあり、何を決め手にタイミングをとるのかは、理解も説明も出来ません。感性でタイミングを取りながら、この一年間一喜一憂してきたことになります。

何だか愚かで滑稽なことにも思えてきましたが、この一年間これを繰り返して来た身としましては、ここは気持ちを前向きに人間の限界に一年間挑戦し続けたと捉えることにします。いや、本当にそうだったと思っています。ひょっとして何かの特殊訓練になっていたのかも知れません。そうだとすれば、今後の演奏が期待されます。

そんなチェロ泣かせの曲ですが、発表会の後もクリスマス演奏会まで続くようです。悩ましい問題は年内続きます。

 

今月は、来年の曲を決める時期でもありますが、是非来年の曲は、チェロに楽しみを与えてください。メロディというものを弾き切る喜びを味わせてください。

まだ候補曲は見つけられていませんが、何か良い曲があったら教えて下さい。是非このブログまたは、メールをいただけるとありがたいです。ただし、難しい曲や速い曲はだめです。

 

これまでの曲決めの多数決投票では、数にものを言わせるヴァイオリン党の圧勝で、弱小チェロ党は惨敗のようですが、来年はチェロ救済、復興の年でありますから、是非、ステージにチェロが並ぶように魅力的な曲選びをしていきましょう。よろしくお願いします。

(セロ弾き3号)

 

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コメント: 2
  • #1

    びよら弾き (水曜日, 01 11月 2023 23:09)

    良い温泉につかったらよい音が出て音程がよくなるかもしれない。先週から練習以外の方法で何とかうまくなろうとしているなあ。いかんいかん。

  • #2

    バイオリーナ (木曜日, 02 11月 2023 11:57)

    草津温泉いいですね!
    私も行きたいなあ。